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今夜の番組チェック

1.バトル漫画としての「なるたる」
もえヒロ まず基本なんですけど「なるたる」のジャンルって何ですかね?ファンタジーでいいんですか?
narko メルヘンというか大人の童話みたいな感じだけど
成馬01 俺はバトル漫画として読んでた。ジャンプに載ってるようなタイプなんだけどマニア誌のアフターヌーンだから、もっと細かく書いたんだって感じで
もえヒロ バトル、つまり戦闘を見せるのが目的ってことですか?
narko 基本は「竜の子」同士のプロレスですよね。まずそれがあって人間ドラマっていう、ガンダム方式というか
もえヒロ バトル漫画の元祖って何ですか?
成馬01 元祖っていったらキリないけど、多分山田風太郎さんの忍法帖シリーズと横山光輝さんの伊賀の影丸とか鉄人とか
narko アトムは?
成馬01 手塚治虫は微妙に違う気がするなぁ。手塚さんは物語を描く人で戦闘はそのスパイスって感じで横山さんや山田風太郎は面白い戦闘シーンがまずあってそのスパイスとして透けて見える人間観とか歴史観があるって感じで。
もえヒロ ゲーム性が強いってことかなぁ?
成馬01 うん広い意味でゲームなんだと思う。プレイヤーがいて共通のルールの中でお互いの個性を駆使して戦うって感じで。
もえヒロ スポーツ漫画なんかわかりやすいですよね
成馬01 スポーツだとサッカーとかバスケとかルールが明快じゃん。これがバトル漫画だとオリジナルのルールが必要になるんだよね。そのルールがちゃんとしてるほど面白い。
もえヒロ 例えば伊賀の影丸だったらプレイヤーは忍者で忍術で戦うみたいな。
narko あぁ、ボクシングならジャブとかフックみたいな技のかわりに忍法があるんだ。
成馬01 で、バトル漫画で大事なのは強さの序列のつけ方、強さの見せ方なんだけど
で、その流れは3つあって
一つは王道の身体を鍛えてる奴が強いって世界観、梶原一騎、本宮ひろ志からはじまってドラゴンボール、北斗の拳で行くトコまでいってバガボンドやバキ、殺しやイチに至る世界観。まぁ王道だね。
narko ドラゴンボールや北斗の拳は微妙ですけどまぁ
番長漫画ですね。まぁ身体鍛えててもバカじゃ勝てないですけどね。
まぁそれは前提として。
成馬01 次が身体じゃなくて持ってる武器あるいは部下が強い奴が強いっていうか、それを操る能力がある奴が強いって
世界観いわゆるロボットアニメとかそうだよね。鉄人28号とかガンダムとか、主人公はひ弱でも、それを操る能力があればOkっていう。
最近だとポケモンとかデジモンみたいなモンスターバトルものもそう。
大事なのはそれらを使いこなす戦略だっていう頭脳戦
narko ケンカの弱いインテリ君の発想ですね。俺は運動はできないけどパソコンは使えるぞ!みたいな。
成馬01 で3番目は超能力、あるいはサイボーグとか半妖とか身体が改造されてるから強いっていう世界観。

サイボーグものは石森章太郎の仮面ライダー、サイボーグ009
この後は攻殻機動隊かなぁ?
半妖ものはデビルマン→孔雀王→うしおととら→寄生獣って感じかなぁ
超能力モノは
バビル2世→童夢。AKIRA→ジョジョの奇妙な冒険「第三部のスタンド」
を経由してハンターハンターの念、シャーマンキングのオーバーソウルって感じでどんどん可視化擬人化していく
narko 最後はオカルトだ。
もえヒロ 3は多重人格探偵サイコとか隣人13号も入れていいのかな?
つまり心の中にいる強いもう一人の自分が出てくると強いって感じで
「るろうに剣心」とか「遊戯王」もそうだと思うけど。
成馬01 つまりキレる奴が強いって世界観かな?
何か殺伐〜でもある種の流行だよね。
もえヒロ 超能力の擬人化で思ったんだけど2のロボットとか武器も最近擬人化の傾向ないですか?
エヴァとかガドガードとか「うしおととら」の獣の槍とか、心のある道具みたいな方に行きつつあるような。
narko ロボットでいうとCRANP先生のエンジェリックレイヤーとちょびっツも外せないですね。何か道具や武器でありつつ親友であり恋人であるって方向を一番わかりやすく扱ってる。
成馬01 そういう場合ってだいたい敵の側はそのパートナー(武器)を道具としてしか扱ってなくて、心がつながってる主人公に破れるって構造なんだよね。金色のガッシュベルとか
narko ようするにヤンキーとインテリとオカルトってわけですか。
体力と知力と心って言ってもいいけど
成馬01 まぁ実際のはその三つが混ざり合ってるってのが
現実かなぁ。
でさぁ1ってのは実は今回どうでもよくて(笑)
あのパターンは昔からあってせいぜい集団戦になるとか銃やナイフが出てくるとかしか発展はないわけで。
問題は2と3でこの二つは明確にここ数年進歩してて一つの流れになってるんだよね。
もえヒロ それってみんなが「強い」って思う価値観の序列が変化してきたってことですかね?
narko 正確には「強い」ってことにしておきたいものだと思うけどね私は。
要するにマンガなんて読んでるのは運動できないコで、そういう体育の時間に隅っこにいる僕でもケンカに勝ちたい。
どんなルールの世界なら僕でも勝てるか?の帰結として
ロボットとかモンスターとかなんじゃないかな?
もえヒロ で、勉強もできないコはオカルトに行くしかないと、心は序列つけられないですもんねぇ。みんながONLY ONEだと思える。
成馬01 オカルトって言うか想いの強さとかそっちだよね。気持ちの問題っていうのかな?
narko どんな夢も信じればかなうよ〜♪みたいな奴ですかね?
はっきり言ってあげた方がいいですよ。
想いと能力、技術は別問題だって。
成馬01 想いは形がないエネルギーみたいなものだからねぇ。
それを一つの方向にもっていって可視化、具現化するとJOJOのスタンドになるって感じかな?
もえヒロ 心の武器化、擬人化ですね。う〜ん心理学化する社会(てきとう)
成馬01 で、話を戻すと2の最近の流行はポケモンで3の流行はジョジョのスタンドなんだよね。
「なるたる」の竜の子ってのはその2つの合わせ技なんだ。
narko ファイトクラブのカウンセリングかなんかのシーンで目を瞑って心の中に住む動物を思い浮かばせるシーンがあるじゃないですか。主人公のナレーターはそこでペンギンを思い浮かべるんですけど
あれがホシマルなんですかね?
成馬01 竜の子って最初は形きまってないんだよね。それがリンク者の脳の中の強いイメージ(深層心理)を借りて形を得るって設定で、だから竜の子の造型=リンク者の内面の可視化なんだよね。
ほとんど説明は出てないけど、読んでるとすごくわかる。
ハンターハンターもソレをやろうとはしてるけど「なるたる」の方がより思春期的というか青年誌的アプローチというか
つまり性的なんだけどね。
もえヒロ 小森朋典のプッシュ・ダガーなんかわかりやすいよね。世界を切り裂こうっていうナイフであり男性器のイメージもあるし、2巻でシイナちゃんの股の間に刺さるのは露骨にそういうイメージだもんね
narko 逆に小沢さとみのアマポーラとか古賀のり夫のデンタくん(ヴァギナデンタータ)ってのは女性器のイメージなんですよね。そう想うとのり夫君、悲しすぎだけど
もえヒロ タラスクなんかは半分説明してるからいいけど、高野文吾のハイヌウェレは何なの?
成馬01 あれは「足首がないお人形」ってエピソードがあったから、まんまそれって気がするけど、ちょっと考えると混乱してくる。
多分デビルマンのシレーヌが元なんだろうけど。
narko 一番健康そうな文吾の竜の子がアレなのがすごいですよね(笑)
もえヒロ そうやって考えた時に謎なのはアキラちゃんのエン・ソフ、須藤君のトリックスターとホシマルですよね。
成馬01 あれも広い意味で性器のイメージかなぁ?それもクリトリスとかそっちの、多分あの形態って初期段階であそこからさらに具体的な花とかナイフになるはずなんだけど、須藤くんは成熟を拒否してるじゃん、アキラちゃんもある種そうだし。だからあれはウーパールーパーみたいなもんだと想うなぁ
narko ホシマルは?
成馬01 あれは女の子の乗り物になりたいっていう願望だね(笑)しかし自己イメージがホシマルってのはXX(自主規制)って人は・・・・
もえヒロ そう考えると竜の子って造型だけで心理劇やってるんですね。
すごいなぁ
成馬01 実はさぁ。俺あれやろうと想ってたんだよね。
narko M体ですか?
成馬01 うん。エヴァがロボットものを総決算したみたいにバトルものを総決算できないかなぁって思ってたんだけど、「なるたる」とハンターハンターがかなりのトコまでやったなぁって感じはあるね。
まぁアプローチの仕方は最終的には違うからいいんだけど
もえヒロ でも、それだけ秀逸の設定作っておきながら、あんま戦闘には生かせてないなぁって気はするけど。
成馬01 多分それは竜の子が不死って設定と物質再構成能力っていう、自分の身体を分裂させて銃とかを作りだせる能力を設定してしまったことにあると思うなぁ
一見多用性があるように見えるけどどんどんなんでもありになっちゃって、それは惜しい。
もえヒロ 竜の子の戦闘って実在する銃を作り出してそれを使って戦うんですよね。
その辺のバランスが妙ですよね。
「なるたる」のリアリティはそういうミリタリーネタから来てるって気がする。
成馬01 でも、もしかしたら最初からゲーム的な戦闘は描くつもりがなくて、ああいう設定にしたのかも。
戦闘が基本的に五分五分になると、残るは内面の問題だけだもんね。
だからゲームなんだけど心理劇というか、内面を見せる道具立てとしての竜の子同士のプロレスだったんだと思うなぁ。
narko そこまで言うと褒めすぎかなぁ?
基本的に「なるたる」の戦闘は不意打ちあんですよ。一方的に攻撃されて終わる。で8巻なんか一番わかりやすいけど
その走馬灯のように無理やり痛いシーンをこれみよがしに入れてたって気がする。確かに連載中はすごいと思ったけど、今見ると唐突すぎる。これは単純にストーリー構成の技術がないってことだと思うのよねぇ。
成馬01 でもその唐突さが暴力的に感情を揺さぶるんだよ。実はそれが「なるたる」の肝で、この話はまた後でしよう。
もえヒロ って進行しないでください。

2・「デビルマンの呪縛」へ進む

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