木更津ボーイズブラボー
| 木更津キャッツアイプレイバック | |
| 一回表 | |
| もえヒロ | えぇ〜ここからはお二人にテレビ版を一話から振り返ってもらいます。まず一回からなんですけど |
| narko | 映画版の予習として久しぶりに見たけど1話はつまんなぁわねぇ |
| もえヒロ | えぇ!そんなこと言うんですか。 |
| 成馬01 | 正直俺もそう思うなぁ、アレ?って感じ自分がもってた木更津のイメージと違うんだよね。 |
| narko | まず、ぶっさんのナレーションからはじまるんだけど、これがすごい違和感あるの、別人が話してるみたい。 |
| 成馬01 | ちょっとカッコつけてるんだよね。演出も模索中って感じで、順番に登場人物紹介していくんだけど |
| narko | うっちーもただの怪しい人なのよね。 |
| 成馬01 | 美礼先生もまだぎこちなくて、たしか主演以外は初めてなんだよね薬師丸ひろ子さん。 ローズねぇさんとか教頭とかはいいんだけどね「ノルウィの森が見れなくなるんだぞ」って森下愛子はホント宮藤さんのドラマのディーバだよなぁ |
| narko | それで京極会と接待野球するんだけど、ちなみにこの京極会って池袋ウエストゲートパークにも出てきたヤクザよね、山口さんの事務所って京極会木更津支部なのかしら? |
| もえヒロ | トリビアですね。 |
| narko | なんかムカつく(怒)。 |
| 成馬01 | どっちかというと面白いってより、これ描くか?って感じだよね。山口さんもオジーも猫田も木更津ニ高の先輩後輩でこういう地元の上下関係って書き方によってはホントキツいよね。しかも草野球だし |
| もえヒロ | 20歳すぎて草野球って何かくすぶってるイメージあるわよね。っていうか仕事に直結しないスポーツってちょっと哀愁があるわよね。 |
| narko | いいじゃないの、そういうのは10代の発想よ、みんながみんな少年漫画みたく生きられるわけじゃないんだから。そういうバトルのためじゃなく日常生活としてのスポーツ?スラムダンクじゃなくてリアルの世界なんだって私は思うわ。 |
| 一回裏 「スポ根」以降、活きるためのスポーツ | |
| 成馬01 | 基本的にスポーツ漫画って梶原一騎が作ったトーナメント形式のものなんだよね。特訓して勝ってっていう勝負事としてのスポーツ |
| もえヒロ | 努力、友情、勝利ですね。 |
| 成馬01 | あと階級闘争、貧困から這い上がるドラマの舞台、成りあがる手段としてのスポーツよね。星飛勇馬も矢吹丈もみんな貧乏だったし |
| narko | あと大塚英志なんかは身体性とか大人に結局なれないとか言うけど、とりあえずそれは割愛しますね。 |
| 成馬01 | その梶原イズムがスポ根漫画を切り開いていって、そこから派生していろいろ生まれる。正直スポ根って苦手で細かいこといえないんですけど。 |
| narko | おおまかに言うとそのあとが極限までいったアストロ球団、根性を抜き取って純粋にスポーツを描こうとした、ちばあきお、水島新司、それと梶原一騎自体をギャグのネタにした江口寿史の「すすめパイレーツ」って感じかな? |
| もえヒロ | じゃあ木更津キャッツアイは「すすめパイレーツ」の流れですかね?同じ千葉だし |
| 成馬01 | でもむこうは一応プロだし、それに木更津みたいなドラマには行かなかったと思うよ。 |
| もえヒロ | 宮藤さん自体は「マカロニほうれん荘」は好きみたいんですね。 |
| 成馬01 | 江口さんは茶化したけど、新しいスポコンは作んなかったんだ。だから俺としてはこの後に小林まことの「1,2の三四郎」と望月峯太郎を木更津キャッツアイと繋けるつもり。 |
| もえヒロ | その心は? |
| 成馬01 | 梶原イズム、つまり貧困からの脱出というテーマはなくなって軽快で笑えるんだけど、やる時はやるぞ!っていう男の子らしさの再構築をしている。 |
| もえヒロ | 実はこの二つとも試合に重点置かれてないんですよね。 |
| 成馬01 | うん、ジャンプ的なバトルを見せるって感じじゃないんだ。「バタアシ金魚」なんか特にそう、延々と特訓してて、その特訓も意味があるんだかないんだか(笑) |
| narko | 一応、ちゃんと練習はしてるんだけどね。 |
| 成馬01 | あれは主人公のカオル君だけ少年漫画の主人公なんだよね、熱血しててオリンピックいくぞ!って |
| もえヒロ | それで他の人は趣味の延長みたいな感じで、ソノコ君なんか痩せたいからだし |
| 成馬01 | でもカオルって女の子に人気あるんだよね、ソノコの母親とか友達とかあとプーとか |
| narko | そりゃ、夢見てる男の子はかっこいいもん、口ではバッカじゃない!っていっててもどこかで羨ましいって思ってるものだと思うわよ、もちろん10代だから素直にそれをだせないんだけど、ソノコは近すぎるから怒るのよね。 |
| 成馬01 | あと押し付けがましいし(笑)オリンピックに行くのは勝手だけど、それを愛情表現に使われるとねぇ。 |
| もえヒロ | もしかしてあれってタッチの「南を甲子園につれてって」に対する返歌かな? |
| 成馬01 | 似たようなことは夏目房之介さんの「消えた魔球」に書いてあった気がするけど覚えてないや。 |
| narko | 多分貧困からの脱出という豊かになるっていうモチーフの代わりにモテたいっていうモチーフが出てきたんじゃないかな?スポコンからラブコメって意味で |
| 成馬01 | 女の子のためならがんばれる気するもんなぁ |
| narko | スラムダンクもそうよね、こっちはだんだんバスケットマンになって晴子さんはどうでもよくなるんだけど。 |
| 成馬01 | バタアシ金魚は一応両立してる?けど水泳の比重はデカくなるんだよね。よくさぁ「仕事と私どっちが大切なの?って問いかけ」があるけど女の子を入り口にスポーツというある種の社会に入っていくって流れは好きだなぁ。 |
| narko | 花道も少しづつ大人になるもんね部活って一種の擬似共同体だからいい通過儀礼って感じ、カオルはあんまかわんないけど(笑) |
| 成馬01 | だからスポーツってあなどれないんだよね。だいたいが華のある試合に目が行きがちだけど、その周辺にこそドラマがあるのよね、それを取り囲む人々も含めて |
| narko | 井上雄彦さんの「リアル」は更に突き詰めてて、もっと生きることと直結したものとして車椅子バスケを扱ってるよね、バスケがあるから生きられるみたいな、だからあの作品って試合の描き方も勝ち負けより、もっといかに充実したか?とかそっちに重点がいってる。まぁ主人公たちはそんなこと口が裂けても言わないんだけど |
| もえヒロ | そこがまた男の子らしい(笑)じゃあ木更津の草野球はそういう存在なんですか? |
| 成馬01 | バンビが煮詰まると「野球やろうぜ」って言うんだよね。あれって何の解決にもならない「憂さばらし」なんだけど、ああいう風にするしかないことが多々あるんだよね。そこでうだうだ悩まないで「野球やろうぜ」っていくとこが好きだなぁ |
| narko | あっ私思い出したんだけど松本大洋さんの |
| 一同 | 「花男」! |
| narko | あれって木更津の雛形なんじゃないですか?アレの場合は町ぐるみで野球と繋がってるし、話としては親子だけど、ちょっとノスタルジックな作りとか似てるのかもしれない。 |
| 成馬01 | ピンポンもやってるしね。たしか宮藤さんが一番好きな松本大洋作品に挙げてた気がする。 |
| narko | 出てくる人もバカばっかだしね |
| 成馬01 | オジーとかローズねぇさんなんかソレっぽい |
| もえヒロ | 松本さんって女描くの苦手ってよく言いますよね、それも含めて近いかも |
| 成馬01 | だからスポーツもののモチベーションの書き方って確実に変わってるんだよね「貧困からの脱出」→「もてたい」→「居場所を守る」って感じで |
| ☆「死」との距離感 実はドラマとしては失敗作? | |
| narko | 本編の感想に戻るけど、キャデラック盗んだ後、「野球狂の唄」に戻って飲むじゃない、そこで「ぶっさん」が自分が癌だって告白するじゃない。私あそこで「木更津キャッツアイ」になったって気がするなぁ |
| もえヒロ | 最初誰も信じないでギャグだって思うんですよね。それでぶっさんが切れてやっと信じて、そしたらみんな引いちゃって、アニとマスターが出て行っちゃって、バンビとぶっさんの二人になるんですけど、あのシーンはバンビの真面目さが出てていいですよね。 |
| 成馬01 | 改めて見ててバンビがホントかわいいんだよなぁ、頭なでてやりたくなる。 |
| もえヒロ | 多分最初はバンビとぶっさんの話だったんじゃないですかね?だからこの回はづーとケンカしてて最後に仲直りしますし、でももしかしたら普通の脚本家ならあれを最終回にもってくのかなぁ、二人の仲がだんだん近くなって、そしたら死の間際のバンビの台詞ももっただろうし、桜井翔君本人もパンフレットで言ってたけど、本当はいっしょにはっちゃけないでクールなキャラで行くべきだったのかなぁ? |
| 成馬01 | 君塚良一さんならそうやりそうだなぁ、でも失敗したから今の形になったって気がするなぁ、逆にそういうセオリーどおりだったら俺は乗らなかったと思う。 |
| narko | 一回がつまんないっていったのはそういうトコもあるのよ。あと二回からは死がネタとして機能するんだよね。もう死にまつわる台詞が出るだけで面白い。 |
| narko | もともと宮藤さんの脚本ってそういうトコあるよね、キャラの人間関係と話の構造、この話だとキャッツアイのメンバーが何かを盗んで、そのことで誰かの心を癒して |
| 成馬01 | 結局盗んだお金も野球部のために使ってね |
| narko | そういうルールみたいのがわかるまではちょっと面白いの?って感じはある、小ネタは別にして |
| もえヒロ | 一回だとレザボアドックスにならってあだ名つけるトコとかね。 |
| narko | ああいう無駄話がホント面白いのよねぇ |
| 成馬01 | これが野島伸司だと逆で一話がうまいんだよね。こまかいシーンの積み重ねがすごく印象的で未成年の最初の10分とかすごくいいよ |
| もえヒロ | その代わり後半破綻しますけどね。 |
| narko | だから逆に言うと一回で挫折した人には二回以降を是非、できれば7回を見てほしいなぁって思う、アレ見てダメなら仕方ないかなぁって思うけど。 |
| 成馬01 | あとは映画版とリンクするシーンがいっぱいあってびっくりしたなぁ |
| もえヒロ | 「ありえねぇー」って一話から言ってますしね |
| 成馬01 | その意味で映画って総決算だなぁって思った。 |
| もえヒロ | というわけで次は2回に行きます |