木更津ボーイズブラボー
| 六回表 | |
| もえヒロ | 重いですね。重苦しいっス |
| 成馬01 | うっちーがぶっさんに怒られるトコも辛いッス。 |
| narko | 猫田も辛いッス。 |
| 成馬01 | ピエール瀧さん出てるのに辛いッス。 |
| もえヒロ | オジーがバットを振りかぶるトコでタイトルになってCMの後、ゴミの山に投げ捨てられてるオジーをキャッツアイのメンバーが見てるトコから始まるんですよね。 |
| narko | さみしいですよね。でもあざとい感じは全然しないッス。 |
| 成馬01 | バンビの「この世にただのホームレスなんていないんだよ!」にもキました。 |
| もえヒロ | この作品何故か女子高生って抑圧の対象なんですよね。美礼先生にしてもそうだし。 |
| narko | この世で一番世間知らずで傍若無人だからよ。 |
| もえヒロ | う〜ん反論できないッス |
| 成馬01 | 関係ないけど美礼先生を抑圧してた女子高生の中で五十嵐イチコだけフルネームあるんだよね。演じてるコも結構かわいいし、もしかして主演級だったのかな? |
| narko | モー子もミー子も苗字ないのにね。 |
| 成馬01 | バンビが叫んでてぶっさんが止めてるってのがいいよね。そういうストレートな怒りがでないくらい実に詰まらされてるのがよくわかる。 |
| もえヒロ | その後、葬式にぶっさんだけ行かないのもそうですよね。 |
| 成馬01 | ここの台詞とかもちゃんとキャラに合ってるよね。バンビが「なんかできることないかな?って言って」ぶっさんが「俺いると話づらいって感じ?」って言って |
| narko | それでアニが「やっぱぶっさん帰ってくんねぇ?!」だもんね。ここのアニの台詞がいいよね。バカだから言葉が足りなくて何いってんだかわかんなくて途中からイライラしてお前らみんな帰れよ!って言って、もうそれだけでアニの性格がわかる。 |
| もえヒロ | ああいう台詞回しって池袋〜のマコトの頃からある宮藤さんの典型的な男の子台詞ですよね。 もうアレ大好き。 |
| 成馬01 | あと変な比喩もね、この回ではバンビがモー子に旅行の例え話するけど。 |
| もえヒロ | あれは受けるモー子もリアクション変ですけどね 「ぶっさんと旅行にいく」って、もう何の話かズレてる。 |
| narko | 人の心ってバラバラなのよねぇ(笑) |
| もえヒロ | その前に一回バンビとモー子の会話ありますよね。バンビの会話がグルグル回ってモー子に誰の話すんの?っていわれて(オジーって)いい奴だったなぁって言うの、あれも良かった。 |
| 成馬01 | もしかして宮藤さんっていろんなことを信じてない人なのかなぁ。特に言葉とか気持ちとかのいわゆるコミュニケーションについては特に |
| narko | でもまったく信じてないってことはない気がするんですよね。逆に底のトコではつながってるから好き勝手やってるというか、だから一見そう見えないけど実は凄い高度な(笑)会話をしてる気がする。 |
| 六回裏 リアルに死ぬということについて考える | |
| 成馬01 | 昨日たまたま昔のビデオ整理してたら糸井重里のトーク番組があって「死ぬ気になればなんでもできるって発想は卑怯だ」って感じのこと言ってたんだ。アレ?ズルいだったかな。 |
| もえヒロ | まぁどっちでもニュアンスは伝わりますけどね |
| 成馬01 | その番組は多分95〜6年にものだったと思うんだけど、同時に糸井さんは最近みんなが「死」について意識的になってる。80年代は死に対して無自覚でいられたって感じのこと言ってたんだ。多分オウムとか震災のこと言ってるんだろうけど、実はその流れって90年代前半の「完全自殺マニュアル」の頃からあって |
| もえヒロ | あれは「いざとなったら死ねばいい」っていう発想ですよね。当時はほとんどに人がいざとなるまではいかなかったけど |
| 成馬01 | うまく言えないけど「死」って「神」とか「運命」とか「絶対」と同義語なんだよね。わかりやすいのはリバーズエッジであれは生きる実感のなさを「死体」を見ることで一瞬だけど「絶対のもの」に触れて。また生きられるって発想なんですよね多分 |
| もえヒロ | 多分、糸井さんが嫌だなぁって思ったのはそういう発想ですよね。今でいうとリストカットとか、でもそれを「嫌」とか「ズルい」って言われるとちょっとふざけるなって思うなぁ |
| narko | そこまで追い詰められてたってことですからね。 って過去形じゃないけど |
| 成馬01 | その頃に較べるともっと極端になったなぁって思うけど。木更津キャッツアイ以降もいわゆる余命半年だから〜みたいなパターンのドラマって多いじゃない。まぁ以前もいっぱいあったけど |
| もえヒロ | 代表的で対象的なのは2003年度版の「高校教師」と「ぼくの生きる道」ですよね。高校教師は死の恐怖から逃れるためにヒロインの女の子を自分と同じ病気だっていって騙すっていう懲りすぎな展開で。 「ぼくの生きる道」は多分黒澤明の「生きる」の教師バージョンですよね。 |
| narko | まぁ高校教師は説明がややこしいんだけど、どっちも「死ぬ」ということを理由に主人公の回りがドラマチックに展開しますよね。どうせ死ぬんだからというより「死ぬんだったらせめて」って感じですかね。 |
| 成馬01 | どっちにせよ「死」が主人公の凄さの理由というか特権性につながってるよね。ある意味超能力として余命幾許ってのがある。 深田恭子と金城武が主演してた「神様もう少しだけ」もそういうトコあったなぁ。ヒロインはHIVに感染するんだけど、それが怒涛のドラマに入り口になってて、話とかは凄いベタな何十年前の話なんだよ!って突っ込みたくなるんだけど、ヒロインがHIVってトコで全部許したくなる。 |
| narko | 似たトコではビューティフルライフもそうよね。ヒロインが障害者だってトコでベタな少女漫画的展開もヒロインの嫌な性格も許せちゃう。 というか文句いえない感じになっちゃう。 |
| もえヒロ | それってやっぱ「武器」にしてるんじゃないですか?まぁドラマ上はヒロインはたいてい無自覚なんだけど。 |
| 成馬01 | 逆に言うと視聴者にもそういう願望があるのかなぁ?自分にも余命幾許とか難病とかのハンデがあればそれをバネにがんばれるのにみたいな。 |
| もえヒロ | 死ぬことを逆手にとって悪逆に限りを尽くすようなドラマがあったら嫌ですよね。 |
| 成馬01 | 三島由紀夫のエッセイで自分の死と世界の終わりの瞬間がいっしょじゃないから嫌だ。って文があったけどそういう感じかな? |
| narko | 正直、「死」をきっかけに善人になるのも悪人になるのも嫌だなぁ。普通でいたいなぁ |
| もえヒロ | やっと木更津に戻りましたね、まぁ口では普通っていうけど、全然普通じゃないんですけどね。 |
| 成馬01 | 高度な普通だ。 |
| narko | でも本当にそう思うけどね。せめて昔の友達とか恋人にあっとくくらいじゃないかな?ベタな質問だけど死ぬってわかったらどうする? |
| もえヒロ | う〜ん |
| 成馬01 | 何か表現に向かう気がするな。小説とか、でもそのために仕事やめて引きこもるとかは嫌だ。 |
| もえヒロ | なんか考えてる間に時間が来ちゃう気がするなぁ |
| narko | 多分、何をするか?じゃないんだよね。どういう気持ちでいるかの問題で。 |
| 成馬01 | でも、6回までって普通って言えるのはまだ具体的に実感できてないからってのはあるんだよね。ある種の強がりというか、でも六回で直面せざる負えなくて。 |
| narko | だから六回は前半重いよね。ぶっさんがふっきれるまですごい(作中では20分くらいだけど)時間がかかる。 |
| 成馬01 | 美礼先生の「かっこよくても生きてるほうが幸せじゃない?」でふっきれるんだよね。 |
| もえヒロ | 実はアレ、フォローになってないんですけどね(笑)。ぶっさん死ぬし。 |
| narko | あそこ面白いですね。美礼先生が立ち直るきっかけにもなってる。 |
| 成馬01 | でもやっぱり、ぶっさんの性格によるところが大きい気がするな。口は悪くて頭も悪いんだけど、回りに気使ってて。 |
| もえヒロ | それで、最後にやっぱ死ぬのこえーなっていう死の恐怖を理解したうえではっちゃけるんですよね。だからここから迷いがない。 |
| narko | 普通ココがラストよねぇ。 そういう構成の面でもこの回は驚いた。えぇまだ残ってるよ!って |
| ☆DVだかAVだか知らねぇけど | |
| もえヒロ | 教頭との問題も一応この回で解決ですね。妻からDV(ドメスティックバイオレンス)を受けててね。 |
| narko | しかし、よーく考えると心の病気率高いわね。 |
| もえヒロ | 「先生を巻き込むなよ」ってのは宮藤さんの倫理観が出てますよね。お前が病気だからって巻き込んでいいと思ってるのか?って。 |
| narko | でも美礼先生もちゃんと受け入れて、話あわそうとするんですよね。う〜ん大人です。 |
| ☆歌田光子 | |
| もえヒロ | あとは何かありましたか? |
| narko | 一応シガニー小池ことピエール瀧さんについて |
| 成馬01 | いやぁポンキッキーズのコンビがまた見れるとは(笑) |
| narko | 最初の方で深夜放送センスって言ったけど、この回は古田新太さんまでいますからね。 十年前は想像もつかなかった。 |
| もえヒロ | LAONという雑誌で宮藤さんの特集した号があるんですけど、高田文夫さんがビートたけしのオールナイトニッポンから生まれた作家の一人だってコメントしてました |
| 成馬01 | たしかナンシー関、浅草キッドと並んでですよね。電気グルーヴもそのセンスは確実に受け継いでて、まぁメジャーに届くとこまでは行かなかったけど。 |
| narko | あぁ結局はビートたけしの重力圏なのかしら? |
| もえヒロ | でも宮藤さんが世代的には一番最後ですよね。多分 |
| 成馬01 | あれさぁビートたけしの信奉者っておたく系の表現にはいないよね。ギャグでも |
| narko | 「スーパーミルクちゃん」くらいかなぁ(笑) |
| 成馬01 | 世代的には富野さんが一番近いのかなぁ? |
| もえヒロ | 学生運動ですからね。 |
| 成馬01 | つまりガンダムに行くかビートたけしに行くかってもしかしたら分岐点だったのかなぁ? |
| narko | ちょっと面白いですね。それ、確かにたけしを見たらアニメに行こうって気にはならないですよね。もっと生身の舞台にいっちゃう。 |
| もえヒロ | あとビートたけしの最大の功績ってあの外見でもカッコイイってことを世間に表明したことですよね。アニメとかマンガってどうしてもそこでつまずく。 |
| 成馬01 | 生身の表現って身体性もそうだけどルックスの問題もあるからね。 |
| もえヒロ | あれがカッコイイって言える時点で勝ちですよ。まぁ木更津の看板は一応美形ですけど。 |
| narko | その流れがあるから電気グルーヴもかっこいいんですよね。あの人達は自分だけの「かっこいい基準」を作ってきたわけだし。 |
| 成馬01 | カッコよさって世間の基準にいかに符号するかのカッコよさと そういうの無視した自分を貫いてる人間だけがもってるカッコよさがあるんだよね。 |
| もえヒロ | 木更津で宮藤が言ってるのは「普通」は一番カッコいいって言ってるんですよね。 |
| narko | あと「面白い」ね |
| もえヒロ | というわけでまとまったかどうかわからないけど7回にいきまーす。 |