木更津キャッツアイ日本シリーズ
対談
| もえヒロ | だいぶ間あいちゃいましたね。 |
| narko | アイデン&ティティもゼブラーマンもドラッグストアガールも公開されちゃいましたしね。 |
| 成馬01 | 俺3回も観ちゃったよ。 |
| もえヒロ | どうでした。 |
| 成馬01 | 二回観るもんじゃねぇな(笑) |
| もえヒロ | そんなぁ |
| narko | それは観る方が悪い。笑いは意外性が減ると鮮度がどうしても落ちるんだから。 |
| 成馬01 | ホント意外性の映画だよね。っていうか映画って言ったら怒られそうだけど。 |
| narko | 日記に書いた時辛かったですよ。面白いトコについて書いたら所見の人に悪いから。 あぁやっと全部語れる(笑) |
| 成馬01 | まず哀川翔主演1000本記念作品だもんね。 |
| narko | 音楽も微妙任侠入ってるし。 |
| もえヒロ | 悪乗りしすぎですよね(笑)。それでその後が30年後の木更津で。 |
| 成馬01 | おっさん2人が走ってるのは笑ったなぁ。顔が見えた瞬間。 |
| narko | 極めつけは30年後のバンビが中尾彬だもんね。「バンビだよぉ」って |
| もえヒロ | みんないい感じでおっさんになってましたよね。 |
| narko | あれは多分、年をとることを肯定してるって意味なんですよ。 |
| もえヒロ | そうかなぁ(疑)? |
| narko | いいの私はそう受け取ったんだから。 |
| 成馬01 | 宮藤さんからしたらもう木更津って過去だってことかもしれないなぁ。だから未来から過去を振り返るって形式なのかもしれない。 |
| narko | 二度と戻らない美しい日ですね |
| 成馬01 | 九回からしてそうでしたよね。逆に言うと過去にしちゃったから好き勝手できるのかもしれない。 |
| narko | 僕達のいた場所は遠い遠い光の彼方ですからね。 |
| 成馬01 | って何でオザケンネタを振る? |
| narko | いや最近「刹那」聞いて、でもやっぱ似てるなぁと思う。 |
| もえヒロ | オザケンとクドカンが?う〜ん微妙。 |
| narko | 見た目ヘナヘナしてるけど実はタフってとこかな? |
| 成馬01 | 宮藤さんって音楽の趣味はロックとかパンクなんだけど、10年前にシブヤ系のミュージシャンがやってたこと模索してたことをやってるような気がする。オザケンもえらい素の姿で出来ててましたよね。 |
| narko | 今は「オシャレ」って区分けだけど、できるだけ素でやろう形骸化したロックのカテゴライズから逃れようっていうアプローチだったんだよね。 |
| もえヒロ | そういやスチャダラパーがダサかっこいいって概念を提示してましたしね。 |
| 成馬01 | またダサさがいい塩梅なんだよね、木更津〜は |
| 試合形式 | |
| もえヒロ | 映画版は野球と同じように一回から九回っていう形式なんですよね。 |
| 成馬01 | 俺、すごい画期的な構成だなぁって思ったんだけど、そういう風には誰もとんなかったよね。九回まであるってわかってるからさぁ、今どの辺りかとかわかるんだよね。 |
| narko | 回によってはすぐ終わるのトカ中々終わんないのトカあって、時間の流れも野球みたいなんですよね。だから野球のモタモタしたり盛り上がったりする変なテンションをうまく表現してますよね。 |
| もえヒロ | 「猟奇的な彼女」はサッカーに例えてましたよね。前半、後半って |
| 成馬01 | あれは多分人生は「野球」だ。九回裏まで試合終了はないってことなんだと思うなぁ |
| narko | そして延長戦もある!と。 |
| もえヒロ | そうかな? |
| narko | 最初に観た時、観やすかったですよ。最初から9回まであるってわかってたからだいたい逆算して観れるから、映画って時々時間軸がわかんなくなるじゃないですか。それがなかったからすごい新切だった。 |
| もえヒロ | 親切かどうかは別だけど、巻き戻ってく時の快楽もありますよね。あれはやっぱビデオが完全に定着したから出てくる表現ですよね。 |
| 成馬01 | 本来3回4回と見直してマニアが確認することをわざわざ説明して見せてるよね。ある意味マニア殺しというか。 |
| narko | だから濃いファンが、というより、もっと普通の人が観て楽しめるように作ってる気はしますよね。 観にいった時もいわゆる普通の女の子が観に来てたし。 |
| 成馬01 | そのわりにはとんでもない展開に落とすけどね |
| もえヒロ | それは後々。 |
| ・1、2のサンチェ | |
| もえヒロ | 今回新しい要素としては韓国パブのユッケとジョージ村田のシーンがあると思うんですけど |
| 成馬01 | 韓国パブの描写はいいよねぇ、あそこって元はローズ姉さんのストリップ劇場なんだよね。 |
| narko | 山口さんが韓国語で西城秀樹の「ギャランドゥ」を歌ってる時のホステスのやる気のない踊りが最高 |
| 成馬01 | で、その後ユッケが出ますけど、ユッケとぶっさんのやりとりいいですよね。微妙にズレてて |
| narko | 言葉が違うことを差し引いても絶妙にズレるよね。告白するシーン最高。 |
| 成馬01 | 多分ユッケとぶっさんの関係ってアンチ「GO」だと思うんだ。っていうか、最初に見た時そう思った。 |
| もえヒロ | どこら辺がそう見えます? |
| 成馬01 | まぁ主にストーリーなんだけど、あっさり受け入れるじゃない。まぁ韓国人だけじゃなくてヤクザも犯罪者もストリッパーも関係なく仲間として受け入れちゃう懐の深さがあるんだけど。 |
| narko | あんまり言いたくないけど、それはぶっさんが余命半年ってことと、みんなそんなにハイクラスじゃないからじゃないかな?あぁ私ヒドイこと言ってるけど、GOの桜井が最後の最後に差別意識が(初体験の途中で混乱してたとはいえ)出ちゃうけど、あれは彼女がいわゆる金持ちの家柄で父親の影響を強く受けてたからなんですよね。 |
| 成馬01 | 差別ってリアルタイムで例えば仕事を外国人に奪われたとかの具体的なトコから来るものと、もっと曖昧な昔からみんなしてたから差別する、という悪文化、悪伝統としての差別があるじゃん。 後者は文化とか伝統があって初めて成立するんだけど、今って特に木更津市民みたいな人たちはそういう伝統と切れてるんだよね。だから差別意識を克服したというより、忘却しちゃってるんだよね。これはある種、資本主義というか郊外化のいい面と言ってもいいけど。 |
| narko | だから教養がある人は木更津〜みたいな描写は怒るんでしょうね。公助の「韓国人はいい仕事をする」も差別的な意味合いで受け取ってる人も少なからずいると思う。 |
| 成馬01 | あれは公助にとって韓国人との接点は韓国パブとか風俗しかないから出てきた台詞なんだろうけどそれを差別と受け取る人は逆に風俗とかホステスを差別といわないまでも低くみてるんじゃないかな?宮藤さんってそういう人を見下してないもん。 作中の言葉を使うならリスペクトしてる。 もしかしたらあえてそう書いてるのかもしれないけど、俺はあのみんな許容してしまう幅の広さにタフなものを感じるから断固支持だけど。 |
| ・赤い橋の伝説 | |
| もえヒロ | ユッケとの出会いを元に新曲「赤い橋の伝説」を作りますけど、この歌ってどうですかね? |
| narko | 最初はねちょっと臭いかなぁって思ってた。ちょっとベタベタなラブソングで。 でも繰り返し聞いてると悪くないかなぁって。 特に最後にライブで歌うシーンではちょっとウルっときました。あれは今までの蓄積があるから感動できるんですよね。 |
| もえヒロ | タメにタメてますよね。そういう手続きにすごく敏感なんだろうなぁって気がします。 |
| 成馬01 | あの歌って木更津キャッツアイそのものだよね。 |
| narko | あぁ「はやく〜ゆっくり〜」ってのは木更津〜のデタラメな時間軸そのものですよね。 |
| 成馬01 | 「向こう岸についたら消えてしまいそうだから〜」ってのはぶっさんの「死」についてだし。 木更津〜自体が赤い橋を渡りきろうとして渡らないで行ったりきたりしてるみたいな感じがある。 |
| narko | この街の嘘、君は信じるかい?ですしね。 |
| もえヒロ | やっぱ嘘って自覚はるんですよね(笑) |
| 成馬01 | そりゃまぁデタラメだもんね。でもこのデタラメの何パーセントかでも生きられたらなぁって思う。 そもそもフィクションってそういうものだと思うんだよね。中途半端に辛酸な現実を見せ付けて「どうだぁ!」っていうような表現やその反動で少女に神がかり的な希望を見出すようなものには付き合いたくない。 |
| もえヒロ | ↑誰のこと言ってるかすぐわかりますね(笑) |
| 成馬01 | つーか俺、映画館から出てきたら口調がぶっさんになってたし |
| もえヒロ | そういう力こそ映画の力ですよね。 |
| 成馬01 | 俺は「木更津キャッツアイ」みたいに生きたいね。 |
| narko | 結論でましたね。 |
| もえヒロ | めでたしめでたし。 |
| 成馬01 | まだ終わんねーよ。 でもさぁ、本当に大事なことっつーかフィクションが提供しないといけねぇことってこういうことだと思うなぁ。 |
| もえヒロ | でも成馬01さんや私みたいなタイプはぶっさんにはなれませんよ。 |
| narko | せいぜいうっち〜ですね(笑) |
| 成馬01 | そ、それでもいいけど(苦笑) |
| ・ジョージ村田 | |
| もえヒロ | 今回出る「ジョージ村田」って木更津〜でほとんど初めて出るちゃんとした悪役ですよね。 |
| 成馬01 | ダニーケニートニーやシガニー小池はいるけど、主人公と拮抗してるって意味では初めてだよね。 |
| narko | まぁ最初っから間抜けですけどね。いくらハンサムだからってバンビの顔にしたいって発想する時点で間違ってるし。 |
| もえヒロ | でもヘビーといえばヘビーですよね。いきなり自殺だし |
| 成馬01 | 小峰社長に何回もさらわれて性格が歪んだってエピソードもちょっとヘビーですよね。 あれ私はOKだけど、初めて観る人とか身近にそういう人がいるって人が観たら腹立つのかもって少し思った。 |
| もえヒロ | ベルセルクとかだったらヘビーな分だけ説得力ありますよね。 |
| 成馬01 | 宮藤さんのそういう世俗にまみれれた強さって時々そういう手続きを飛ばしちゃうことってあるんだよね。まぁ松尾スズキさんなんかもっと飛ばすんだけど、それが一般的なモラルで生きてる人を弾く弱点になることは多々あると思う。 |
| narko | ただジョージ村田みたいな本来マジメな人の屈折ってのはシリーズ通してありますよね教頭もそうだし美礼先生もそう。 それがキャッツアイの面々に意図せざる形で救われるというパターンはちゃんと押さえてますよね。 |
| もえヒロ | 中盤になるのかな?ジョージ村田とキャッツアイのカーチェイス+戦闘シーンは笑いを交えつつもすごい見せ場ですよね。 |
| narko | 映画館の裏に秘密基地があるんですよね。 あの暗闇の地下への階段の途中で落とし穴って展開は今どきマンガでもやんないですよ。 |
| 成馬01 | いや、そういうマンガ的な描写アクションは多々あるよ。 |
| もえヒロ | ジョージ村田の撃った拳銃の弾とバンビのボールがぶつかるシーンとか、その後ボールがパチンコ玉みたいにあっちこっちに反射したりするシーンもそうですよね。 |
| narko | それをうっちーがバットで打ち返すシーンは最高ですよね。あのテンションの高さは凄かった。 |
| 成馬01 | だからマンガなのかななぁ?現実のマンガ化というか、それがたまにリアリティの手続きをおろそかにする時があるんだけど、そこをおろそかにしても突き抜けるパワーが少なくともキャッツアイにはある。 |
| narko | だから木更津というこれ以上にない現実にキャッツアイというフィクションをぶつけることで乗り越えてるんですよね。 現実のフィクション化というか。 |
| もえヒロ | もう20代なのにね。 |
| 成馬01 | いや20代や30代だからコレが必要なんだよ。だって10代でハメ外していかにも青春なんて奴うっとうしいだけだもん。 |
| もえヒロ | かなり怨念こもった発言ですね。 |
| narko | でも宮藤さんの作品ってそういうトコありますよね。だいたいおっさんおばさんや地味なOLとかにスポットが当たって、ぶーたれた女子高生とかは抑圧の側にいる。キャッツアイはその両者に架かってるんだけど。 |
| 成馬01 | ダメな人にやさしいですよね。それでいながらダメさに止まってない。テレビシリーズの時と映画の美礼先生の違いなんかその象徴なんですけど。 |
| narko | 関係ないけど美礼先生の顔デカくなかったですか? |
| 成馬01 | 気のせいだよ。つーか美礼先生の悪口いうな! |
| narko | 怒んないでよ。それにしても回想シーンは良かったなぁ美礼先生セーラー服着てるし。 あれを書く宮藤さんも堂々と演じる薬師丸さんもスゴイ。 |
| もえヒロ | 一応テレビ版二話のオジーと山口の手法と同じなんですけどね。 |
| narko | 不細工な笑顔とか、そごうで買った安物の時計を渡すトコとか好きですよ。なんだろうね、あの笑いと切なさが共存する感じって。 |
| 成馬01 | しかもジョージから来た手紙に対して「38の女を食事に誘うってことはイコール結婚なのよ」ってもうこれだけでいかに恋愛経験が少ないかわかる(泣) |
| narko | 今、桐野夏生さんの作品を読みあさってるんですけど丁度東電OL事件をモチーフにしたグロテスクのキャラと美礼先生の年が同じくらいなんですよね だから、美礼先生に位置ってすごい意図的にこのドラマに用意されてるのかなぁ?とか思う。 |
| 成馬01 | いわゆるトレンディドラマってその層に向けられてるからね。ってしつこいくらい言ってるけど。 |
| もえヒロ | でも、その美礼先生の発言をかわいいというか面白いものとして宮藤さんは書きますよね。風俗嬢を書いてもそうだし、こういうマジメ一色で生きてきたであろう人を書いても、嫌な感じが全然しない。 |
| narko | 結局どんな生き方も否定してないんだよね。対立は書いても根本のトコでその生き方や価値観を否定してない。どれも「笑い」って言うとコに落とし込んでる。 |
| 成馬01 | 不快な笑いってさぁ ある一方の価値観から見下す要素か、その逆の王様は裸だ!って暴露するようなものがあるんだけど、宮藤さんの場合は違うんだよね。うまく言えないけど異質な人間同士の価値観がぶつかる時の摩擦というか軋轢が笑いとして出るんだよね。 これが少女漫画とかだと、もっと別の「痛み」みたいな感じになるんだよね。 宮藤さんの笑いってその「痛み」を受け入れてるというか、その痛みって本当は面白いよねって暗に言ってる気がする。 |
| もえヒロ | 宮藤さんの脚本の会話ってさぁ面白いけど、実はちゃんとしたコミュニケーションができてない(笑)んですよね。みんな自己表現が決してうまくないし、言いたいこと言えてないし、誤解もすれ違いもしょっちゅうなんだけど、その祭の軋轢を許容した上で突き進むんですよね。ガードレールにガンガンぶつけながら進む車みたい。 |
| narko | だからうまい会話だからいい、真似したいってんじゃないんだよね。そういう意味でうまい会話が苦手な人ほど轢かれるし参考になるような気がする。 |
| 成馬01 | というより参考になる。し、そうしなきゃって思う。 |
| narko | 多分宮藤さん自体がそういう人なんですよね。 いわゆる器用な人じゃなくて。 |
| もえヒロ | って何か美礼先生の話からはずれちゃいましたね。 |
| 成馬01 | 一つ触れとくと2回目に見た時気付いたんですけど、ジョージ村田が刑務所に入ってたことを美礼先生は知ってたんだよね。 知った上で受け入れようとしてた。 |
| もえヒロ | そういうトコ押さえますよね。ぶっさんの病気のコトも実は知ってたし。 |
| narko | 彼等はコミュニケーション能力は落ちるかもしれないけど、そういう気を使う力、やさしい部分はちゃんと持ってるんですよね。 |
| 成馬01 | みんな根本のトコでやさしいし気を使うんだよね。ぶっさんが蟹食べた後でみんながいないトコで吐いたりするトコとか |
| 休憩 | |
| 成馬01 | ふ〜う。何か疲れたね。 |
| narko | 普段の二倍くらい行きそうですよね。 |
| もえヒロ | って対談でこんなこといわないよ普通。 |
| 成馬01 | でも、こういうノイズを入れてかないと宮藤さんな堤さんの作品の本質って伝わんないんだよね。 |
| narko | マジメな論文だとどうも取りこぼすというか。 |
| 成馬01 | むしろそっちが本質つーか |
| narko | でもね木更津って語っても語ってもキリないつーか本質から遠くなるんだよね。 |
| 成馬01 | だから一番正しいのは「ぶっさん」みたくなりたいとか、これ見て野球はじめましたとかが正しいんだよね。 |
| もえヒロ | コレ見て泥棒始めましたとか |
| 成馬01 | いねーよ!んな奴。 |
| もえヒロ | 冗談ですよ。さてそろそろ始めますか? これでしばらくは木更津〜については語らないんだからしっかり語ってくださいませませ。 |
| ・監督金子文紀さんについて | |
| もえヒロ | どこからはじめます? |
| 成馬01 | とりあえず演出で好きなトコが二つあるんですけど、一つは木更津キャッツアイのテーマを歌うトコと 富士見ロックフェスのポスターを町中に貼るトコとそこだけミュージッククリップみたいでいいよね。 |
| もえヒロ | 氣志團といっしょに「木更津キャッツアイのテーマ」を歌うとこは宮藤さんの演出なんですよね。 |
| narko | 面白かったけど、まだ宮藤さんの色ってのはよくわかんないですよね。 |
| 成馬01 | 宮藤さんは今は脚本って位置にいるからトクしてますよね。もし監督までやって一本作るとなると、案外シリアスなものになるかもしれないですよね。 |
| narko | まぁそれは今後に期待ですけど。 |
| もえヒロ | だったら金子文紀さんに関してはどうですか? |
| narko | それも明確な色ってのはまだないよね。 |
| 成馬01 | 楽しいけど、2回、3回と観るとやっぱり大きいテレビだなぁって思う。これは悪口じゃないんだけど、作家性の人ってよりエンターテイナーなんだと思う。 多分これは宮藤さんもそうだと思うけど。 |
| narko | そうなんですよね〜だから評価しずらいし、楽しいって言えば終わっちゃう。 |
| 成馬01 | だからドラマというより、お笑いや音楽のライブに近いって気がする。コンサートで盛り上がってた後にその意味とは?とか考えるだけ無駄ですしね。 |
| narko | うん。クライマックスに向かう感じってそうですよね。 ある種、お祭り感覚というか。 |
| 成馬01 | だから映画として観てもドラマとして観ても収まりが悪いですよね。ライブって考えた方が正解だと思う。 |
| narko | ちょっと本編と関係ないんだけど2回くらい軍用ヘリが飛んでるシーンがあるんだけど、あれは周辺に自衛隊の基地があるのかなぁ?ただ映っちゃったのか意図したのか、それがちょっと気になるな |
| ・島編 | |
| narko | 九回表から南の島に舞台が移りますよね。正直どうして?って思った。 |
| もえヒロ | もっというと終わんの?って(笑) |
| narko | 一応、前情報で南の島に行くとか黒モー子が出るってのは知ってたんだけど、こういうつながり方は予想外だったなぁ。 |
| 成馬01 | 「不思議の海のナディア」で中盤、島編ってのがあってハチャメチャな展開なんだけど、もしかしてその影響かな? |
| narko | ないない。 |
| 成馬01 | でもアニメの影響って結構あるんですよね。そもそもはじめはカリオストロの城をやる予定だったんですよね。 |
| narko | 「ルパンみたい」って台詞もよく出ますしね。 |
| 成馬01 | ある種CGの発達が実写作品にいろんな影響を与えてて、マンガの実写化の企画もいっぱいあるけど。 その挑戦に一つとしても見れますよね。 |
| narko | ただ木更津〜の場合はそれらと違ってマンガのセンスというか形式を取り込んでるって気がするなぁ。 それは当のアニメですらももうやらなくなったような部分で。 |
| 成馬01 | だから金子さんや宮藤さんに可能性があるとすればそっちだよね。失われたマンガセンスをどう取り戻すかっていう。 |
| もえヒロ | 甘えん坊ハウスとかもそうですよね。 |
| 成馬01 | 「マイケルジャクソンみたいなネバーランドおったてようぜ」って台詞は当時あんまりタイムリーなんで笑ったなぁ。 |
| narko | でも島編はなんか評判悪かったですよ。無駄に長いしぶっさんが死ぬ死なないってのも、どうせ生き返るのがわかってたからつまんないって。 |
| 成馬01 | それはそうなんだけど、俺は結構ドキドキしたけどなぁ |
| もえヒロ | 演じてるキャッツアイの面々ですらも島編は調子悪かったって言ってますしね。 |
| 成馬01 | でも、木更津を外部から見る視線って必要なんだよね。九回の東京編もそうだけど、あれが木更津だけだと閉じちゃうから多少不自然でも一回外に出る必要があったんだと思う。 |
| narko | それがあるから帰ってくるカタルシスがあるんですしね。 |
| ・普通とは | |
| もえヒロ | 「普通」というモチーフについてもちゃんと結論を出してますよね。 |
| 成馬01 | まずはユッケとぶっさんの会話で普通の意味がわかんないユッケにぶっさんが一生懸命説明しますよね。 それを受けてユッケが「生きるという意味か?」って言うんですけど、これかなぁって思ったな。 |
| もえヒロ | 「LIFE」ですね。 |
| 成馬01 | またオザケンかよ(笑)? |
| narko | (無視して)オザケンのソロデビューアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」の天使たちのシーンで「神様を信じる力を僕に生きることをあきらめてしまわないように」ってあるんだけど、その後に「生きることを諦めてしまわない」ことの実践として「LIFE」ってアルバムを出したのかなぁ?って思った。 |
| 成馬01 | これと美礼先生の「変にがんばったり腐ったりしないで、今まで通り仲間に囲まれて、普通に生きてるの・・・・何があったか知らないけど普通に生きてる人の邪魔しないで」ですよね。どっちも女の人が言ってるのが面白いけど |
| もえヒロ | でもぶっさんはバカというか無自覚なんですよね。そこが面白いんだけど切ない。 |
| narko | だから私たちみたいな自意識過剰ちゃんは簡単にはぶっさんにはなれないんですよね。 だから憧れるんだけど |
| もえヒロ | どっちかというとジョージの側ですよね(笑) だからジョージ辛いなぁって思ってみてましたよ。 |
| 成馬01 | 多分、宮藤さんの中でもそうなんだと思うなぁ。やっぱり普通に生きるって難しいよ。特に今みたいな世の中だと。普通ってのは多分自意識の問題なんだろうけど、今はそれこそがみんな求めてることなのかなぁって気がする。 |
| ・最後に男の子の思想とは | |
| もえヒロ | 成馬01さんは最初、木更津キャッツアイや他の宮藤さんの作品に男の子の思想を読みとこうとしましたよね。 narkoさんはそこから「俺と僕」という概念を発見して今ご自身の日記でいろいろ書いてますけど。 そろそろ最後なんで何らかの結論をいただこうかなぁと思うんですけど。 |
| 成馬01 | う〜ん。男の子はバカでいいってことじゃないかな? |
| もえヒロ | え〜そんなオチですか? |
| 成馬01 | バカでいいけど、バカな自分に居直らず、その都度反省したり気を使いながらも言いたいことは言う。 それが一番かなぁ? |
| もえヒロ | 何かすごい単純なトコに持ってきますね。 |
| 成馬01 | うん。つーか、こういうことは言葉にできないのかなぁって思う。言葉って何かを固定して下手すれば終わらせる作業じゃない。でも木更津〜ってそういうものじゃないんだよね。あれはぶっさんが生きてる限り続くし、死んでも記憶として他に人にはちゃんと残ってるし。 多分それがあるから死んで感動的なフィナーレみたいな方に行かないんだと思うなぁ。 |
| narko | それと同時に大事なのは「死ぬのはぶっさんだけだし」って台詞あるじゃないですか。あれって最初はヒドイこと言うなぁって思ってたけど最近思うのは要するにあの子たちはみんな一人一人別なんだってことを知ってるんですよね、口には出さないだけで、多分あの後ぶっさんが死んで、バンビも木更津を一端出て、バラバラになると思うんですよ。その辺りをわかってるからあえて盛り上がってるんであって、あれはあくまで期間限定の終わることがわかってるお祭りなんですよね。 そういう人の心のつながりの距離感の絶妙さ。みんなバラバラなんだけど、人の心はバラバラで考えてることが違うから面白いんじゃないの?ってコトを笑いという表現を通して見せてくれた気がするなぁ。 |
| もえヒロ | なるほど。 |
| 成馬01 | だからもし男の子の思想があるとすれば、それは言葉じゃないんだよね。もっと動いてあがいてる姿にしかないと思う。その姿がカッコイイんだっていう。 別にそれは「男は黙って」の世界じゃないんだけど。 |
| narko | だから私はねぇ目指しますよ「木更津キャッツアイ」を(笑)ああいう風に普通に生きたいッス。 |
| 成馬01 | 何かまとまってきましたね。じゃあ最後に円陣組みマスか? |
| もえヒロ | つーか一番映画で好きだった台詞の引用ッスけどね、実際に円陣組んでるかどーかは想像にまかせます。 |
| 成馬01 | 「いいかぁ!世の中金じゃねぇとかいうのは負け犬の遠吠えだ!俺たちゃ泥棒猫だ!お金大好き〜木更津〜キャッツ!」 |
| 一同 | にゃー |
| 成馬01 | キャッツ! |
| 一同 | にゃー |
| 成馬01 | キャッツ! |
| 一同 | にゃー |